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外壁塗替えDIY

中古で購入した家の外壁を自分で塗るという。果してその顛末は・・・送ってくれたレポートを掲載。

塗装前壁面状況

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fig01: 南東ベランダ上部壁面

前回の塗装は新築時の平成元年3月で、14年が経っていた。特に東側壁面の痛みが目立ちクラックが網目模様のように(ラス網に沿って)全体的に入っていた。
まず始めに、外壁を水洗いします。ホコリやくもの巣、チョーキング(白く粉を吹いたようなところ)をきれいに洗い流します。
自分は高圧洗浄器を購入して洗いましたが、普通のホースで洗う程度でもOKだそうです。


洗って養生する

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fig02 : 養生状況

水洗い後、良く乾燥させてら(1日くらい養生したほうがいいかも)まず、養生用テープで塗りたくない場所を養生します。
そのときのコツは、最初に塗ってある塗装のはみ出しよりも2〜5ミリほど大きくテープを張ります。
そうすることで以前の塗装を塗ってしまい、見えなくすることが出来ます。
逸る気持ちをおさえ、この養生には時間をかけてください。


また養生、綺麗に塗れるように

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fig03 : 養生状況

*養生とは作業を効率よく安全に、そしてきれいに仕上げる作業のことをいいます。
ペンキのはみ出しを防ぐマスキング、汚れないようにシートを敷く、などの処置です。


そして養生、汚さないように

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fig04 : 養生状況

テスト床面は大体このくらいの幅まで養生できていればいいでしょう。(50センチくらい)でも、多ければ多いほどいいですよ。


下塗

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fig05 : 塗装

養生が終わってさあ、塗装です。
はじめから真ん中を塗らずに最初はローラーの入りにくい入り角から塗っていきます。フィラーはケチらずにたっぷりと付けましょう。これはコツです。
ついつい、材料をケチってしまって下地が薄くなり、結局やり直しになります。


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fig06 : 塗装

とにかくたっぷりと刷り込むようにぽってりと盛るように塗っていってください。


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fig07 : 細部塗装

入り角部塗装完了状況
*「入り角」とは壁と天井とのカドのような隅っこの場所を言います。その逆に「出角」というのは四角い柱のカドのような出っ張った部分を言います。


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fig08 : 塗装ピンホール

このようなピンホールやパイプと壁の隙間、クラックの大きなところなどはフィラーをぽってりと盛って埋めてしまいます。このとき、まず指で穴に刷り込んでから盛ると完璧です。あまりに大きな穴はモルタルで修繕しなければなりませんが、5ミリ程度の穴でしたら埋まります。一度で埋まらない場合は何度かに分けてやってみてください。


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fig09 : 塗装


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fig10 : ローラー

ローラーですが、これもケチケチせず、たっぷりとフィラーを付けてください。


上塗り

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fig11 : 塗装

ローラーを使用するときは勢い良く動かさず、ゆっくりとWを書くように上下に動かしてください。
勢い良く動かすと塗料が自分のほうに跳ね返ってきて写真に写っている人のように服にべっとりとついてしまいます。今回使用した塗料では一回の塗り範囲は60センチくらいがいいでしょう。
下塗りが終わったら乾くまで待ち、その間に上塗りの準備をします。刷毛とローラーを新品に交換し、バケツも交換します。そして一度ローラーに水を吸わせます。バケツに仕上げ材をいれ、ローラーの水を切らずに仕上げ材とローラーにしみこんだ水を良く混ぜます。ちょうどこのくらいの水加減がベストです。

*上塗りは下塗りが手で触っても手につかない程度乾燥すればOKです。大体30分くらい。要領は下塗りと同じです。ただ、上塗りは単純に"色"を付けているだけと思ってください。"ちょっと下塗りがあまいな"と、思ったら何度も下塗りを重ねてください。いくらムラになってもいいです。塗り重ねれば重ねるほど強度が出ます。
上塗りも2回塗る気持ちでやるといいでしょう。


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fig12 : 塗料

塗料缶はキャップを開けようとしてもうまく開きません。写真のように上部を皮すきなどで開けてしまいましょう。(ただし、フィラーのみ。)
上塗り材はキャップが取れるはずです。
また、フィラーは使わないときや、すこし時間を置くとき、養生ビニールを切って直接塗料に落とし込んでください。決して缶を包むように囲まないでください。塗装は空気に触れることで固まります。
よっていくら缶のふたをしても缶と塗材の間の空気によって塗材が固まってしまうからです。ビニールを塗材に密着させておけば一応は防げます。写真のビニールはそのためのものです。


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fig13 : 塗料

今回使用した塗装です。
 左:上塗り材/大日本塗料;ビィーアクリル
 右:下塗り材/大日本塗料;弾性フィラー
下塗り材は5缶。上塗り材は2缶使用しました。


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fig14 :細部

狭い部分に雨どいがありますが、取れるところは取ってしまったほうがいいです。また、立てパイプは写真のようにデンデン(パイプを止めている金物)をはずして空の状態でセットしてパイプを引っ掛けておくことで塗りやすくなります。


服装

  • 汚れてもよい服・靴
    つなぎを薦めます。自分のサイズより1つ多い目を。
    スカート・Tシャツ・短パン・スリッパ・雪駄は思わぬ事故を招き、危険です。足袋なんかがいいでしょう。
  • 帽子
    あるとないとでは頭髪への影響がだいぶ違います?? ペンキがつくと大変なことに。
  • 安全帯
    屋根や高所を塗るときに使用します。無い場合はロープを体の腰に結んでおくこと。決して腰以外(腕とか肩とか)に回さないこと。落ちたときもぎ取れます。

装備:ここでは塗装用品以外のものの紹介

  • はしご
    7mくらいまで伸びるやつ(DIYショップで2万円位から)。
    足場が手配できればそのほうがとってもいい(大体10〜20万円位)。
  • 脚立
    6尺くらい。
  • ロープ
    化繊のものでないのも。50mほどあるといい。2本あるともっといい。
  • 延長柄
    1メーターもあるとあと、もうちょっとというところに手が届きます。
材料
No. 項目 数量 単位 単価 金額
1: 刷毛 30ミリ程度 2 500 1,000
2: バケツ 塗装用のバケツ 1 1,000
3: 替えバケツ 2 500 1,000
4: ローラー(小) 8 500 4,000
5: ローラー柄 2 800 1,600
6: 養生テープ 25センチ幅程度 10 300 3,000
7: 養生シート ロール 1 1,000
8: ゴム手袋 台所用でよい 1 200
9: 軍手 3 100 300
10: 下塗り材 1斗缶 5 6,000 30,000
11: 上塗り材 1斗缶 2 10,000 20,000
12: ニベア 1 800

12番目のニベアは、塗装する前に手に塗ってゴム手袋をして軍手をして作業してください。
作業が終わったときに手はすべすべ!若返りますよ!これを1週間もやっていたらもう、すっべすっべのぴっかぴか!!
やるだけの価値あります。
材料費は上記全部でだいたい、6万円くらいです。あとは根気とやる気と体力と兄弟、家族の協力です。



12/04/17 [11,217B]

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