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ローコストのコツ

住宅のコストを比較するとき、ほとんどの方は規模に対する金額、すなわち「坪単価」を手がかりにしていると思います。ところが仕様や含まれている機能機器の条件を横並びに比較する手段はありません。ローコストと呼ばれる要件は直感でしかない事実を理解しましょう。2000万円/40坪の住宅でキッチンに200万円かけたら、全体の10%、5万円/坪に相当するのです。坪単価は容易に変化します。ローコストとは適正金額と満足度のバランスを示す用語であると心得ておくことが賢明です。現在の欠点や不満の解消に片寄らず、目的を研ぎすませて合理的な選択と決断を探しましょう。そうはいっても、設計者も日々工夫探求を怠れません。すでにコツは使い尽されています。ここでは実際のエピソードを中心に挙げてみましょう。


コストの比較は何としているのか

坪単価は直感でしかないといいつつ、設計者も坪単価を頼りにしています。住宅の見積で予算を10%以上オーバーすると調整することは難しくなるので、ローコストほど精度高くアンテナを張巡らせて設計しなければなりません。この場合の直感は相場観といった方が良いでしょうか。注文住宅のコストは一般に公開されることはあまりありません。唯一客観的と思われるのは住宅金融公庫のデータでしょう。鵜呑みにはできませんが、全国平均でおよそ60万くらいのようです。首都圏では65万〜70万くらいになります。しかし、一般の方が住宅金融公庫のデータを引合いに出して、高い安いと比較しているようには思えません。おそらく、建売住宅やマンションのなど価格の表示された情報を何となく目にしていて、単価感覚を感じているのではないでしょうか。これには注意が必要です。表示されている金額とは「価格」つまりプライスです。「費用」と「価格」、コストとプライスは違います。そもそもロープライスという言葉は住宅であまり使いませんから、その違いはなんとなく分っているのかも知れません。だけれど、プライスと比較していませんか。プライスとはモノの値段、市場が決定する価格です。みんなが感じる相場観より微妙に安いプライスがつけられているはずです。そのプライスを目標にローコストを指向しますか。もっと色々な比較があるはずです。探してみましょう。(2006/01/25)


最もお金がかかる部分は規模

建設費を構成している項目の内、最も大きな比率を占めているのはほとんどの場合「木工事」です。木工事には、構造木材、造作木材、大工人工等が含まれます。この金額はほぼ規模に比例するので、合理的なプランを検討することが最も効果的なはずです。一方、様々な部屋構成の要望を最初からそぎ落すことはなかなか難しい作業です。しかし、設計後半のコスト調整は数千円から数万円の積重ねで行われる事が多いため、規模の設定はとても重要なのです。なにしろ坪単価の感覚で見れば一坪で50万くらいかわるんですから。(2006/11/06)




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