Maintenance>ヒーターコア交換







ヒーターコアを外すにはACラインをはずす必要がある。
あらかじめ電装屋さんでガスを回収してもらおう。交渉次第では回収後のガスを再利用させてくれるかもしれない。AC修理の少ない時期がねらい目か?

さていよいよ分解開始。ダッシュはすべて取払わなければならない。室内の分解は年式で多少違う。大物を固定しているナットはプレナムチャンバーの下で、ECUとワイパーモーターの近くに2箇所ある。とても手の届きにくい場所だ。外すよりつけるときに力が入らなくてやっかい。



ダッシュの分解が済んだら、エキスパンションバルブを外してしまおう。
強引に分解を続けると配管を曲げたり壊してしまう場合がありそうだ。
実は前回途中まで分解復帰した後、ガスが抜けてしまった。たぶんこの辺によけいな力をかけてしまったようだ。亀裂を入れてしまったか心配だったが最終的には大丈夫。だからこの部分の管はフレアナット締ではなく、サンドイッチするように固定しているのかもしれない。

エキスパンションバルブを外したら、ゴミが入らないようにすぐに養生しよう。
このときACオイルが薄い黄色くらいだったら、やや酸化してるか元のオイルの色だと思うので、空気の混入は少なかったと思って良いと思う。



さぁて、前回ココまでやってあきらめた経緯がある。
中央の白いダクトがはずれないのだ。金属のサポートメンバーを外さないと素直に作業できない。ステアリングに絡んでるし、剛性にも関係ありそうだ。

でも外しちゃえ。中央のステーは普通のボルト、ドアの両脇がトルクス45×4本で止っている。
アレッあっさりゆるんだ。剛性とは関係ないみたい。安全策かな。A2には無いらしい。
ゆるんでも白いダクトはまだはずれない。サポートメンバーを引張りながら強引に外すのだ。



やった〜、はずれた〜。
これでいかにも外せそうな隙間がいっぱい出来た。

ちなみにブロアモーターは最初に外しておく。
助手席シートも外した方が全体の作業性がずっと上がる。
いくつもコネクターを外したけど、元にもどせるだろうか・・・?



空調ボックスは、ヒーターコアハウジングとエバボレーターハウジングの2つの構成になっている。
エバボレーターハウジングはエキスパンションバルブ横にある2箇所のボルト、ヒーターコアハウジングはバルクヘッドの断熱材裏に2箇所のボルトがある。
ヒーターコアのボルトはアプローチ出来るように切込みがあるが、劣化したグラスウールが飛散るので長袖とゴーグルがほしい。えらい目にあった!

一番下の切込みはドレンの出口。キャップがないぞ、まぁいいっか。


ようやく取外したの図。道行く人は日に日に分解されていく車に異様な顔つき。この後一気に組み上がった車を見て感動することになる。

ヒーターコアの下にACダイアルのワイヤーがきているのではずす。見えにくいところにコネクターもあるので注意。
それぞれのハウジングはクリップで留っている。裏側の2箇所がはずせれば後は見える位置にあるのでなんとかなるだろう。
サポートメンバーを引張りながらはずせる角度を探す。案外素直にはずせた。



ベールを脱いだエバボレーターハウジング。
外気導入用のバキュームホースがある。



外気導入のフラップ。
えらいこっちゃ。フラップのスポンジは全滅。ヒーターコアのLLC漏れで一気に吹き出した。
なんでこんなヤワなスポンジなの?
住宅で使う最近のベンチレーターにも似たような材質のものが使われている。
ココの修理も今回の主題。



これがヒーターコアハウジング。
フラップのスポンジが見事に無くなってる。
修理は適当なスポンジで良いと思うが、堅すぎたり厚すぎたりすると切替の感触が悪くなる。密閉性はそもそもあまり無いみたい。
密閉できた方が冷え冷えになるんだけど、エンドレス作業になりそうでやめた。
あまり作業時間は残されてないのだ。



エバボレーター。
本当は新品が良かったが高いのでやめた。
何度か掃除しているのでゴミは少なかったが、ピカピカにならないな〜。

エバボレーターの清掃は意外に簡単。
ブロアモーターを外すと端っこが見える。
助手席エアバッグかグローブボックスを外し、レジスターを外すと上から見える。
家庭用のエアコンクリーナーで泡泡洗浄するとドレンから汚い液が出て、掃除の達成感がある。


ハウジングの中もみんなキレイキレイに。


これが漏れたヒーターコア。
どこも漏れてる様子はない。おそらくプラをカシメてる部分が劣化したんだろう。圧をかけないと漏れは再現できそうもない。

新しいヒーターコアを組付ける時は固定用の爪を思いっきり開きながら挿入しないとフィンを痛めてしまいそう。
ココのガスケットを買い忘れたので、しかたなく古いのを使う。あ〜ぁ残念。


せっかくだからエキスパンションバルブとリザーバードライヤーも交換することにした。
134a用のパッキンを用意する。
必要なパッキンを選ぶのが面倒なので、まとめて手に入れたが、似たような大きさや太さがあってよくわからん。

あと5回くらい修理出来そうだ。
だれか必要な人、お分けしましょうか。フィッティングは保証できないけど。



リザーバードライヤーを交換する。
ヘッドライトの下あたりにあるので、グリルとライトを外す。



手前に見えるのがリザーバードライヤー。
吊下げる形で設置されている。
奥に見えるのがチャコールキャニスター。



リザーバードライヤーを裏から見たところ。

コンデンサーからの配管、エキスパンションバルブへの配管、それにプレッシャースイッチがついている。
初期型はこの付近に外気温のテンプチャーセンサーがある。

左下に見えるのはホーン。



リザーバードライヤーの新旧比較。
当然右が新しいが、洗うとほとんど見分けがつかなくなる。
ところがこの中には、異物を取除くフィルターと水分を取除く除湿材が入っている。そして新品は内部が正圧になるようにガスが充填されている。
是非新品を使おう。

交換の際は素早くやろう。ゴミは論外だが時間をかけると湿気が入ってしまう。夏は作業を避けた方が良いかも知れない。



またまたパッキンを探す。

ところでエキスパンションバルブはつまって無かったので予備整備になるが、詰っていたとしても分解整備出来そうだ。
今度はすした部品でやってみよ。



交換、組立て後のヒータコア。
白くみえるノズルは外気導入装置へつながるバキュームホースのジョイナー。
これも交換した。
なんか頼りない黒いガスケットも交換。
このガスケットはエキスパンションバルブ側にもある。



そして修理完了。
ACガス充填。いつも給油する近くのスタンドにお願いした。大型店より安くて親切なのです。
ベントレーマニュアルによれば、
ガス 800+50、 オイル 115+-15 とある。
オイルが115って、50cc缶を2缶も使うのか。

この機械は真空引をしてガスを回収し、フィルターを通して洗浄した後再充填する。もちろん不足分は補充できる。なぜか70cc残ってたぞ。コンプレッサーの中かな。
アイドリング時の圧、2000rpm位の圧を確認する。



こんな部品をつけてみた。
エキスパンションバルブカバー。
'92〜'93年式くらいについているらしい。ウレタンのような保温材になってるので少しは効果あると思ったが良く分らない。

そういえばABSの遮熱板もないし、初期の熱対策はいくつか省略されているようだ。

修理完了後1ヶ月ほどだが、今のところ問題なし。ACガスは徐々に抜けてもわからないから、結果がでるのは来年かな。

フ〜、もう2度とやりたくない。