ssi邸
設計・監理
- 島田裕+坂下兼三
構造設計
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施工・管理
- 阿部洋幸+下堀克己/
共栄産業株式会社
家族構成
- 母、夫婦 3人
概要
大きさの異なる直方体が重なり、そのズレが2階デッキになる単純な形態が基本です。外壁の一部が剥がれたようなL字型の壁を隣地側に立たせ、庇、個室(隠れ家的場所)、バルコニーを支える構造にしています。その下部はアプローチやガレージとなり、1階主寝室1の心地よい囲われ感のある庭にもなっています。
玄関の土間、ホールといった場所は設けていません。大きな庇をくぐりドアを開けるとリビングが広がりますが、床をウエットゾーンとドライゾーンの仕上げにする事で使い方を示唆しています。これは形態を単純化し建設コストと空間利用に大きく貢献しています。一方、下足に泥を付けてくることが少なくなった現代の都市だからこそ決断できる方策です。
廊下や通路のような通過するだけの場所はなく、全ての場が隣の場所を含みながら成立しています。特に2階のデッキに面したリビング2と呼ぶ部分は、各場所に将来的に間仕切りが設置されたとしてもデッキとつながるラウンジのように振舞うでしょう。
2階の個室は静かにくつろいだり、友人と楽しんだりする隠れ家的場所として計画されました。床が30cm程上がっていて、他と区分しながらその段差はベンチになっています。その床は収納となり、ACの室外機を外部へ導く配管スペースにもなっています。外壁側の収納は扉を外して手前のレールに移動することで比較的簡易に部屋化する事が可能です。今のところ隠れる必要は無いようです。